世界遺産ブラジリア写真ルポ02:魅せる庁舎、見せないミュージアム、渡れない歩行者

 この写真、何の施設かお分かりになるだろうか。オスカー・ニーマイヤーがブラジリアの三権広場近くに設計した建築である。

(写真:宮沢洋、以下も同じ)

 大抵の人は美術館か博物館だと思うだろう。質問するからにはそうではない。答えは、ブラジル外務省庁舎だ。「弓の宮殿」とも呼ばれる。

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世界遺産ブラジリア写真ルポ01:遷都60年!ニーマイヤーの奇跡、三権広場へ

 建築好きの人は、旅に出たくてうずうずしていることだろう。筆者もその1人だが、今は「まだ見ぬ建築」に思いを巡らせ、その日の旅程を描く熟成期間だ。筆者と同じ思いの人のために、おそらく実物を見た人は少ないであろうブラジルの建築群の現状をリポートする。筆者は、幸いにしてコロナリスクがそれほど高まっていなかった2020年2月13日~24日の12日間、ブラジル国内を巡った。「いつか本を書くネタに」とも思っていたが、皆さんがいつか旅に出る日の準備のために、見どころと旅のポイントを書き留めておくことにした。

(写真:宮沢洋、以下も同じ)
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4月19日は「飼育の日」、葛西臨海水族園を写真32枚で私的バーチャルツアー

 4月19日が「飼育の日」に正式認定された。もともとは多摩動物公園の飼育係が発案。10年ほど前から葛西臨海水族園など都立の動物園・水族園4園が連携し、4月19日にさまざまなイベントを開催してきた。そしてこの2020年4月12日、一般社団法人日本記念日協会は、4月19日を「飼育の日」として認定登録した。日本記念日協会なんていう組織があったのか!

 それはさておき、新館建設(建て替え?)の話題で注目される葛西臨海水族園(設計:谷口吉生、1989年竣工)も、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、臨時休園が続いている。無観客で今も魚たちの世話を続ける飼育係の方々を思い浮かべつつ、過去に筆者が撮りためた写真でバーチャルツアーへとご案内したい。

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建築系雑誌読み比べ!01:建築知識、Casa BRUTUS、日経アーキ─それぞれの社会性を投影

 4月になったら取材しようと思っていたネタが、ことごとく延期になってしまった。こういうときは、献本いただいた近刊の一気読みでもしようか。と思ったものの、相棒の磯達雄がとんでもない読書家なので、磯を差しおいて書評を書く勇気が出ない…(これを書いているのは前・日経アーキテクチュア編集長で今はフリーの宮沢です)。そうか、じゃあ、雑誌だ。「雑誌評」はあまり目にしないので面白いかも。そして、デジタル化の嵐のなかで頑張る紙メディアの人たちを応援したい!!

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【追加情報あり】3日で達成!第二目標へ>>見返りもGood!“カリスマ学芸員”の遺稿をクラウドファンディングで書籍に

※下記記事のクラウドファンディングは、開始からわずか50時間で目標の130万円を達成しました。目標金額を改めて250万円に設定し直し、当初から計画していた3冊目の本「酒井一光論考集(仮)」の出版資金とするとのこと。下記記事は、4月8日夕方に公開したものです。(2020年4月10日追記)

 「クラウドファンディング」は建築分野でも珍しくなくなってきたが、この時期、こういう前向きな話題で知らない者同士がつながるのは胸にしみるなと思い、情報を共有したい。2018年に49歳の若さで亡くなった大阪歴史博物館学芸員の酒井一光氏。同氏の原稿をまとめた書籍「発掘 the OSAKA」の刊行を目指すクラウドファンディングが2020年4月7日から始まった。「リターン」の魅力もあってか、募集開始から2日間で、既に目標額の50%を上回った(4月8日夕方時点)。

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【追加情報あり】残念!再び休館へ>>金沢建築館でセカンド企画展がそろり開幕、巨匠8組が壁で競う

※谷口吉郎・吉生記念金沢建築館は、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、2020年4月11日(土)から5月1日(金)まで臨時休館することを4月7日に発表しました。以下の記事は、4月3日に公開したものです。(2020年4月10日追記)

 いまや日本中の公共文化施設が閉館しているかのような印象があるが、今も平常心を保って通常営業している施設も少なからずある。金沢市の谷口吉郎・吉生記念金沢建築館はその一つだ。

 2019年7月にオープンした同館では、その力量を問われるセカンド企画展、「日本を超えた日本建築―Beyond Japan―」が2020年3月20日から始まった。(同館は新型コロナウイルス感染拡大防止のため、2月29日~3月19日まで休館していたが、3月20日から営業を再開した)

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