本日プレオープン、シードル・ゴールド屋根の「弘前れんが倉庫美術館」

 「弘前れんが倉庫美術館」が本日6月1日、事前予約制でプレオープンする。当初は4月11日に開館予定だったが、新型コロナウイルス感染拡大により開館を延期していた。

弘前れんが倉庫美術館。左の低い建物はカフェ・ショップ棟(写真:長井美暁、以下同じ)

 予約可能なのは、6月15日までは弘前市民のみ。17日以降は対象を青森県民に広げるが、県民以外はまだしばらく待たなくてはならない。ただ、この制限は現時点のもので、同館は「今後の状況を踏まえ、対象を拡大する場合がございます。決定次第、当館ウェブサイト等でご案内いたします」としている。

 開館を心待ちにしていた人も多いだろう。来るグランドオープンに向けた予習として、4月初旬に現地で撮った写真をもとに、同館の様子をざっと案内する。

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保存版!必見ミュージアム22件総まとめ、コロナでどうなった?

 前回の記事(「京セラ美術館ついに開館」「隈研吾展は1年延期」必見ミュージアム総まとめ(前編))では、コロナ拡大防止のために中断・再開、あるいは延期公開された建築系の展覧会を整理した。後編の今回は、これから開幕予定の展覧会の現状を整理する。まずは、前編で紹介した分も含めて、タイトルと会期をリスト化してみた。

<開始日が公表されている展覧会>(終了が早い順)
◆「坂茂建築展 仮設住宅から美術館まで」@大分県立美術館 2020年5月11日~7月5日
◆「日本を超えた日本建築―Beyond Japan―」@谷口吉郎・吉生記念金沢建築館 2020年6月2日(再開)~8月30日
◆「開校100年 きたれ、バウハウスー造形教育の基礎ー」(巡回)@東京ステーションギャラリー 2020年7月17日~9月6日
◆「マル秘展 めったに見られないデザイナー達の原画」@21_21 DESIGN SIGHT 2020年6月1日(再開)~9月22日
◆「石元泰博(タイトル未定)」@東京オペラシティ アートギャラリー 2020年7月18日~9月22日
◆「建築をみる2020 東京モダン生活(ライフ) 東京都コレクションにみる1930年代」@東京都庭園美術館 2020年6月1日~9月27日

◆「オラファー・エリアソン ときに川は橋となる」@東京都現代美術館 2020年6月9日~9月27日
◆「杉本博司 瑠璃の浄土」@京都市京セラ美術館 2020年5月26日~10月4日
◆「Under 35 Architects exhibition 2020」@うめきたシップホール 2020年10月16日~26日
◆「建築家・浦辺鎮太郎の仕事」@横浜赤レンガ倉庫 2020年11月14日~12月12日
◆「分離派建築会100年展 建築は芸術か?」@パナソニック汐留美術館 2020年10月10日~12月15日
◆開館記念春夏プログラム「Thank You Memory ―醸造から創造へ―」@弘前れんが倉庫美術館 2020年6月1日~(終了日未定)
◆「隈研吾展(仮称)」@高知県立美術館 2020年11月3日~2021年1月3日
◆「菊竹清訓 山陰と建築」@島根県立美術館 2021年1月22日~3月22日
◆「隈研吾展(仮称)」(巡回)@長崎県美術館 2021年1月22日~3月28日
◆「隈研吾展(仮称)」(巡回)@東京国立近代美術館 2021年7月~10月
◆「ヘザウィック・スタジオ展:共感する建築へ」@森美術館 2023年1月~3月

<開幕・再開時期未定>
◆「妹島和世+西沢立衛/SANAA展『環境と建築』」@TOTOギャラリー・間
◆伊東豊雄監修「公共建築はみんなの家である」(会場未定)
◆「装飾をひもとく~日本橋の建築・再発見~」@髙島屋史料館TOKYO
◆「建築家・瀧光夫の仕事―緑と建築の対話を求めて」@京都工芸繊維大学美術工芸資料館
◆「クラシックホテル展
開かれ進化する伝統とその先」@建築倉庫ミュージアム
◆「アンサンブル・スタジオ展」@TOTOギャラリー・間
◆「中川エリカ展」@TOTOギャラリー・間
◆「吉阪隆正展」@東京都現代美術館

 自分でまとめておいて何だが、なかなか有用なリストではなかろうか。ここだけ出力して、壁に貼っておいてはいかが?

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「京セラ美術館ついに開館」「隈研吾展は1年延期」必見ミュージアム総まとめ!(前編)

 本来であれば、このゴールデンウイークは、建築好きにとって天国のような建築系展覧会ラッシュになるはずであった。それが徐々にではあるが、遅れて始まりつつある。まだ長距離移動の制限などはあるものの、どこで何の展覧会をやっているか、あるいはこれから始まるかは頭の片隅に入れておきたい。

2カ月遅れで開館した「京都市京セラ美術館」。写真は昨年11月の内覧会で撮影したもの(以下の写真も)。今は予約制なので、こんなに人はいない
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7人の名言07:隈研吾「すべての芸術家にはクラフトマン化する罠が待ち受けている」

 建築家の言葉を1日1人、計7人取り上げていく「7人の名言」。いよいよ最終回。このシリーズを書き始めた当初は、丹下健三で締めるつもりだったのだが、評価が定まった故人ばかりを取り上げるのは守り過ぎな気がしてきた。そこでラストは、今、飛ぶ鳥を落とす勢いの隈研吾氏を取り上げる。存命の建築家なので、「氏」をつけて呼ぶ。

(イラスト:宮沢洋)
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日曜コラム洋々亭03:いよいよベスト3!「令和」建築界グッドニュース

 独断で選ぶ「令和」の建築界グッドニュース、いよいよベスト3である。

3位:イケフェス大阪で「セッケイ・ロード」大盛況

 大阪の建築公開イベント「生きた建築ミュージアムフェスティバル大阪」、通称「イケフェス大阪」をご存じだろうか。普段は入れない建物の内部を見学でき、建物によってはオーナーや専門家に案内してもらえるという、建築好きにはたまらないイベントだ。6回目となったイケフェス大阪が2019年10月26日、27日に開催された。

日本設計に置かれたスタンプラリーのスタンプ台(写真:宮沢洋)
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日曜コラム洋々亭02:「令和」建築界グッドニュース・ベスト10

 うかつだった。このコロナ騒ぎで、「令和」が5月1日で1周年であったことを忘れていた。日経アーキテクチュアで書籍「検証 平成建築史」(2019年4月発刊)を出したときには、「1年後に令和の変化を検証しよう」と思っていたのに…。大メディアであれば、「周年」を逃したのは致命的だ。だが、このサイトは小所帯の下町サイト。3週間の遅れは大目に見ていただき、「令和建築界の1年を振り返る企画」をお届けしたい。

本腰を入れてコラムのロゴを描いてみました!(イラスト:宮沢洋)

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7人の名言06:林昌二「褒められたときはバカにされていると思いなさい」

 建築家の言葉を1日1人、計7人取り上げていく「7人の名言」。6人目は日建設計の林昌二(1928~2011年)だ。私(宮沢洋)が日経アーキテクチュア在籍時に関わった書籍や特集記事などから言葉を拾い出していく。林には、「組織の中」で、あるいは「大規模プロジェクトの設計チームの中」で、建築家として役割を果たすためのヒントを学ぼう。

(イラスト:宮沢洋)
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7人の名言05:黒川紀章「安藤忠雄は時代を見抜いたのではなく、彼の個性がたまたま…」

 建築家の言葉を1日1人、計7人取り上げていく「7人の名言」。私(宮沢洋)が日経アーキテクチュア在籍時に関わった書籍や特集記事などから言葉を拾い出していく。折り返し地点を過ぎた5人目は、これまでの4人とは全くキャラクターが異なる黒川紀章(1908~1997年)を取り上げる。

(イラスト:宮沢洋)
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